捨てるブログ

写真を撮ってどんどん不要物を捨てていきます。

月刊あっと

残したい、でも未練があると捨てられないという人は多いはず。ですが、写真に記録を取れば思い出は消えないので3秒で捨てられます。そんな写真整理法を実践するブログです。「写真整理法」 は一応僕の考案です。2004年からあります(はてなブログにある同名ブログは別の人です)。何かありましたら、ご連絡はフォームよりお願いします。

At(あっと)1986年(昭和61年)9月号(創刊3号)

茨城のタウン誌。1年もたずに撃沈したもの。

この本のことは前にも記事で書いたのでとりあえず。リンクもめんどいので、バックナンバーあさってください。

この本は多分エンケンの記事のために分解したような気がする。表紙しかないよ。

しかし、このフォーマットで売り続けるのは難しかったろうなぁ。
普通に考えて、ここはギャルを表紙にするなら日大の写真を借りてきてメインにしたほうがまだ売れるだろうし、大洗サーキットの割引券とか、いのちの電話とか、シートベルトとか、よく売る方向が見えない文にさらに謎な女子たちといったデザインとなっている。80年代にはこういうアラレちゃんメガネの人居たねぇ。もうすっかり絶滅気味だ。

まあこの迷走した表紙のせいで、後半は表紙が大幅に変わるんだが。

表2はエプソンワードバンク。もう絶滅気味なワープロという存在から懐かしい。

こんなメジャー広告が入るよしもないのだが、実はここの版元が販売代理店だったので、なんとか載せられるというオチ。表2が埋まらない段階で、最終的な休刊は見えていたといえるだろう。

あっと 1987年3月号(No.8) とりあえず表紙のみ



 こんなところで語るのも何なのだが、茨城県のタウン誌史において「あっと」は黒船になりそうで居てそれでいて失敗していた雑誌として、とてもキーになっている本である。

 この本は茨城で編集はされていたが、印刷は東京だった。実際タウン誌は地元で印刷するよりも、都心の印刷所で刷ったほうがコストダウンは容易なのだ。ただそのムードが紙面に出ていたのが失敗じゃないかと思う。表紙の絵の人も、田舎の絵は得意でいまでもよく見る人だけど、特に郷土との縁があったりしたわけじゃない。鉄丸誕生!といわれてもよくわかんないし、エコーズやシオンなど、どうも80年代音楽を追いたかった人がオナニーでやっているというか。茨城において商業性を押し出せなかった結果、社長は茨城における可能性はアウトドアにしか見出せなかったようなことを言って休刊していたような気がします。1年くらい経ってから、チラシ雑誌=フリーペーパーとして一瞬復活をしましたが、現在はどうしているんでしょうかね。

 それにしても、googleとかで「あっと」「月刊あっと」「アオバエンジニアリング」で見ても何も出てこないというのは空しいなぁ。言及しているのは、もしかして世の中でこのブログだけか。
それにしても表2はエプソンワードバンク-Lの広告だ。すごい。アートするワープロ。すっかり絶滅しちゃったね。版元はエプソンの代理店も兼ねてた関係だったみたいですが。

 さて、キーになっているというのは、その後に衛星放送「パーフェクTV!(現在のスカイパーフェクTV!)」というものが誕生した時に、「本局は東京にあるのに、茨城のテレビ局のように振舞った」CSテレビ局「ほっと茨城テレビ」というのがあって、実質的に半年で崩壊したというようなことがあったのだが(現在は再建され、グラビア・女の子専門の別局となっている)、このプロジェクトの失敗は、この局の創立者であった、音楽家のコジマ社長が、「あっと」の失敗を知らなかった点にあるといえる。地元に入り込むのであれば、きっちりと地元に(インフラ発注などを)投資して密着しなければ、閉鎖的な茨城県中央部の人たちは気を許してくれないのだ。
 ほっと茨城テレビは、水戸の形式上の本社は出資会社の事務所であり放送設備はなく、水戸の私書箱から毎週回収した郵便物をフィードバックして東京・三田のスタジオから(茨城の情報を)生放送というとても奇妙なシステムで放送されていたが、それゆえに期待していた県関連・主要産業からの出資を得られなかったのも確かである。県関係の人は「出資面子が微妙」といっていたが、まあそれもあろうが実際はベンチャーテレビ局でありコストをかけないことを考えた結果、惜しくらくは子供だまし的なシステムとなってしまったことで周囲の理解を得られなかったことが原因である。
 それに比べれば、「あっと」は地元に編集部は置いていたのでましとはいえるのだが、こちらも確固たるビジョンがなかったせいで茨城において何を表現していけば金になるのかを考えられないメディアになってしまったのが敗因であったといえるだろう。ほっと茨城テレビも同じように、ベンチャーとして将棋雑誌やエアなど趣味関連のタイアップという方向性を追求した結果、よくわからない状況となって一旦休止に追い込まれる。

 地域メディアの作り方も大変であるし、茨城で作ることのコスト高だけを考えてしまったら成立しない。茨城の情報を作る為には、地に足をつけなければいけないのだ。
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