捨てるブログ

写真を撮ってどんどん不要物を捨てていきます。

ミニコミ

残したい、でも未練があると捨てられないという人は多いはず。ですが、写真に記録を取れば思い出は消えないので3秒で捨てられます。そんな写真整理法を実践するブログです。「写真整理法」 は一応僕の考案です。2004年からあります(はてなブログにある同名ブログは別の人です)。何かありましたら、ご連絡はフォームよりお願いします。

東京おとなクラブ増刊 PRESS Vol.1(表紙なし)


 
中森明夫がプロになって黒幕を名乗ってからの仕事は何一つ評価していないのだが、エンドウユイチとかと東京おとなクラブを出していた頃はなんとなく評価する。いわゆる大学生によるアイドルミニコミの類がはやっていた頃であったが、そのシリーズの中でもPRESSという、別枠増刊の1号目は完成度の高く、しばらく大事に持っていた。基本的に「玉姫様」が全盛、TOTOの「おしりだって洗ってほしい」のCMとかでブレイクしていたの頃の戸川純を特集した1冊。造本、紙、組版(活字風の字体)ともよく考えられていた(急に2ページだけ蛍光グリーン×黒の2色刷が現れたりしてね)。インタビューではジョン・ライドンの頭の悪さに親しみを感じるとか、好きな異性は尊敬できる人とか(うひゃ僕と同じだ…)、戸川純伝説では伝記風にやっているのがよい。そういえば、大塚英志も漫画ブリッコの後の「いけないCOMIC」という雑誌でなんか戸川純特集とかやってたりしてました。あの世代にはかなり大きい存在だったのかもしれない。
 なんか他のページも、価値はゼロに近いんだけど時代がそのまんま出てるのですよね。
巻頭は当時スキゾとかパラノとかよくわからないことをはやらせていた浅田彰がフライングパイレーツに乗るというだけの企画。編集者が、くだらない遊具についてこむづかしく語ってもらいたいという意図で頼んだのはわからないでもないのだが、同人的になってしまっていてつまらなく、ステキにゲンキなワルガキ、みたいなカタカナキャッチの応酬が気持ち悪い。巻中には新人類カタログ。原宿ピテカントロプスに集まった20歳以上お断りパーティの取材、渋谷のレンタルルームガイド(上から見た図もついている)、ぴあ批判、御茶ノ水特集、桃太郎海の神兵(戦時中のアニメ)、丸井テクノ館、…
ちょっと前に逮捕で有名になったジャンキーライター・石丸元章は「花ホテル」の気持ち悪さに関して寄稿しているし、今ではホストになってしまった宅八郎氏が、ライターデビュー前に矢野守啓名義で「COOL MUSIC」WATER MELONのススメなど、まったく今とは似ても似つかない普通の音楽に関する文章を書いてるのもあれですね。
巻末では日ペンの美子ちゃんの疑惑が載っていた。南原志保(兵庫県)はときどき森田由美(横浜市)に名前が変わったり、最初日ペンの歴史は25年だったのが、いつのまにか1年に5年くらい増えて55年になっているとか書いてあります。
そして、巻末には藤原カムイが。ロリ雑誌から出てきて、この時期のニューウェーブ漫画としてはもてはやされた人だけど(まんがの森の看板、数年前まであったのが懐かしい)、未だ少年誌で活躍してるんだから恐れ入るよなぁ。
中森がいうような巻末言にあるような60年代同世代感覚っていうのは、60年代後半生まれの僕らには無かった。世代として、ベビーブームとひのえうまがあったためか年度によっての断絶はすさまじい。

ぽにーてーる平成元年3月号No.40「撃没&火の鳥号」


東京域だけに直販されていたアナーキーなリサイクル個人情報誌のはしり。
適当そうにみえて、結構なお店の広告数。表2には日東紅茶も入り、表4には渡辺自動車教習所の広告。

この頃はこの本の編プロ(というか立派な直販出版社だったが)は、おふぃす・ぽにーてーるを名乗り、千代田区富士見のぼろいオフィスを利用していたが、その後は編集プロダクション化し、ゲーム系の編プロとなる(レッカ社傘下に)。双葉社の着メロ本で一山当てる(しかし、着メロ本って今考えると名前すら思い出せない。時間の経過とは恐ろしいものだ)。着メロ本の編集の人、茨城出身らしく「月刊みと」でインタビューされてたのを見たけど、その人どうしてるんだろ。あの本で得た利益は何千万とあるのでしょうが、あくまでいち編集者(しかもプロダクション)には還元されてなさそうだよなぁ。僕も10年くらい年間億単位の利益上げてきたけど、普通の給与しかもらえてないし、つくづく編集はやるもんじゃないかもしれません。

この本って写植機買ってきて自力で組版していたのがすごい(あとに木曜舎)。
表紙はウエハラサトル画伯。一時期、全部の本に1枚ずつ絵をつけてた全員プレゼントなんかもやっててなかなか気が狂ってました。

この号よくみるとこれで休刊。「情報のより一層の整備と誌面の近代化を計るため、リハビリ季刊をいただきたいと思います。「情報アレルギーに対する体質改善を」との周囲の声に、編集部が積極的にお答えする斬新なおかつ画期的な試みです」とか書いてある。

休刊号マニアの僕ではあるが、別にこの本の休刊は望んでいなかった。直販雑誌の中では非常にいい加減で面白い本だったからだ(編集力はなかったが、そのいい加減さが好きだった)。
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ちょうどこの頃は、学校が終わり今の職場の前の編集プロダクションに勤め始める頃だが、新中野の商店街の半ばにある書店で、僕はなんとなく肩を落としていたことだろう。
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