学生の頃は「ぴあ」全盛期で、今とは比べ物にならないほどみんながぴあを見ては街のイベントへ、ライブハウスへ、コンサートへと足を運んでいた。
ぴあが成功したのは「ちけっとぴあ」を作って、従来イベンター(興業関係)が圧倒的に力を持っていたものを、ぴあのほうが立場を上に逆転させたことが大きいと思う。また、口座をイベンターだけでなく小劇場・小公演(ライブハウス等)にまで幅広く開いていたことも、どちらかといえば顧客に近い層に支持された一因だろう。マイナー文化が力を持っていた、そんな時代だ。
その中でアンチぴあ派の一派は「シティロード」という雑誌を読んでいた。エコー企画という今の西口ヨドバシカメラ付近にあった会社が出版し、後期にはアポロンクリエイトという、文化放送系のビデオ会社がスポンサーについていた(アポロンももう無いねー)。映画マニアが読むような本の作りは、とてもアクが強く、辛口評論が並んでいた。学生のときにスタッフ募集をみてここを受けに行ったときに、まあいつものごとく遅刻したこともあり、またあちらサイドのシビアな環境もあって受からなかったのだが、記念品としてこの本を貰った。2色刷が多いが、非常に実用的なニューヨークガイドで、DEEP東京BOOKという宝島社(JICC)系のガイドに近い、「ジャンル別のお店紹介」を中心とした構成。文化オタクの買い物には便利そうな本だったせいで、机の脚の畳へこみ除けになったりいろいろしつつ、よれよれになっても20年近く捨てられませんでした。きのう写真を撮って、やっと捨てました。